京町家再生提案
コンペティション
2023

京町家の保存と再生 コンペティション結果発表
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開催報告

スペースデザイン設計科・インテリアデザイン設計科(空間デザイン科)2年生の授業課題として、年々消えゆく京町家の再生に向けた提案を行うこの取り組み。京町家再生研究会の小島様、内田様のご協力のお陰で19年目となりました。

今回の舞台は、西陣にある町家。東京校・大阪校・京都校の3校(3チーム)で分かれて課題に取り組みます。地域との関わりを考慮し、町家を保存・継承していくために利益を生み出す仕組みを提案することが求められました。

限られた時間の中で各チーム思い思いの「使い方」を表現します。去る5月13日には仕上がった作品のプレゼンテーションをクライアントの皆様に向けて行い、その場でご講評いただきました。また、プレゼンテーション終了後にはクライアント様と担当講師陣による投票を行い、さまざまな観点から優れた提案をしたチームを選出しました。

この度ご協力いただいた皆様へ、心より御礼申し上げます。

※以下、小さい画像をクリック(タップ)すると作品が拡大表示されます。

最優秀賞 大阪校「紬 tsumugi」

紬 tsumugi

大阪校「紬 tsumugi」▼


■作品紹介

私たちは「五感を紬ぐ」をコンセプトに
音や香りをきっかけに人々が集い
西陣の文化を体験する施設を提案しました。
味覚テーマのカフェ 「糸、おかし」
嗅覚テーマのゲストハウス 「常永久」
触覚テーマのお菓子教室 「最中工房」
視覚テーマのアートギャラリー「織彩」
聴覚テーマの織工房 「織音」
この施設が西陣地域の中心となり
さらなる発展につながるよう計画しました。

東京校、京都校チームも健闘しました。

東京校「環 -庭と廻る京町家-」▼


■作品紹介

四季折々に表情を変える美しい奥庭を中心に、「古本カフェ」「ランドリー」「貸し画廊」の3つの事業が廻る複合施設を提案しました。
読書をしながらゆっくりと過ごしたり、ランドリーという意外性のある機能で観光客を呼び込んだり、西陣織の面影が残る場でアートに触れたり、様々な要素を取り入れました。
地域住民と観光客が境目なく集い、京都の伝統文化が幅広い層に再評価される事が目的です。
「環」には、強い結びつき・繋がりという意味があります。この京町家で繋がった「もの」や「人」との結びつきを大切にできる場となるよう願いを込めて。

京都校「西陣織ものづくりハブ 新舎人座(しんとねりざ)」▼


■作品紹介

私たちの提案した「西陣織ものづくりハブ 新舎人座」は、西陣のものづくりの新たな拠点として、若者や観光客、職人さんや地域の方々といった西陣に集う人々が、「衣」を通して交流・発信する施設です。
私たちが西陣を訪れた時、何気なく機織りの音が聞こえてくる音風景がとても印象的でした。その音を聞き、はるか昔から始まった西陣織が現在になっても続けられている素晴らしさを強く感じました。今を生きる私たちが、これからの未来に西陣織を残していくために、文化の継承は勿論、新たなものづくりが生まれることを目指して考えた計画です。
この施設に様々な人が集い、西陣織と西陣地域がますます発展することを願っています。